害獣駆除に必要な資格と許可|業者選びで確認したい登録

害獣駆除に必要な資格と許可

害獣駆除の業者を比べていると、会社案内に「狩猟免許取得者在籍」「建築物ねずみ昆虫等防除業登録」といった記載を見かけます。専門的な言葉が並ぶため、どれが必須でどれが任意なのか分かりにくいと感じる方は多いはずです。

害獣駆除は、扱う動物と作業の内容によって関係してくる法律が変わります。ネズミの駆除と、屋根裏のコウモリの追い出しと、庭のアライグマの捕獲では、必要になる手続きが同じではありません。

この記事では、害獣駆除に関わる主な許可と資格を一般的に知られている範囲で整理します。自治体ごとに運用が異なる部分も多いため、断定できない点はそのように記しています。業者に何を確認すればよいかの手がかりとしてお使いください。

目次

害獣駆除業に「必置の国家資格」はあるのか

先に結論を書くと、害獣駆除というサービスを提供すること自体を一律に規制し、特定の国家資格の保有を義務づけるという仕組みは設けられていません。「この免許がなければ害獣駆除業を名乗れない」という一本の資格は存在しないということです。

では資格や許可が無関係かというと、そうではありません。実際の作業を分解していくと、野生動物を捕獲する行為、薬剤を扱う行為、建物に手を加える行為、廃棄物を運ぶ行為のそれぞれに別々の法律が関わってきます。

つまり、確認すべきなのは「資格を持っているか」という漠然とした問いではなく、「自分が頼もうとしている作業に必要な手続きを踏んでいるか」という問いです。この視点で見ていきましょう。

野生鳥獣を捕獲するときの許可

野生の鳥獣は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)によって守られており、捕獲や殺傷は原則として禁止されています。害を及ぼす動物であっても、勝手に捕まえてよいわけではありません。

被害を防ぐために捕獲する場合は、いわゆる有害鳥獣捕獲として都道府県知事の許可を受ける必要があります。ただし、多くの地域ではこの権限が市町村へ移されており、実際の窓口は市区町村の農林部門や環境部門になることが一般的です。申請の様式や審査の考え方、許可までの日数は自治体によって運用が異なります。

注意したいのは、対象になる動物とならない動物がある点です。住宅で問題になりやすいハクビシン、アライグマ、イタチ、タヌキ、コウモリなどは鳥獣保護管理法の対象で、捕獲には許可が要ります。一方、家屋に住み着くドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミといったいわゆる家ネズミは、この法律の対象から外されています。ネズミ駆除に捕獲許可が不要とされるのはこのためです。

コウモリについては、追い出して侵入口を塞ぐ方法と、捕獲したり殺傷したりする方法とで扱いが変わります。住みついた個体を建物の外へ出し、戻れないように封鎖する作業であれば捕獲にはあたらないと解される場合が多い一方、捕まえる行為は許可の対象になります。判断に迷う場面もあるため、業者にはどちらの方法をとるのかを説明してもらいましょう。

アライグマとヌートリアは、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)の特定外来生物に指定されており、生きたままの運搬や飼養が原則として禁止されています。また、国や自治体の定める防除の枠組みに基づいて確認や認定を受けた者が行う捕獲については、鳥獣保護管理法の捕獲許可を要しないとされる場合があります。この仕組みの運用も地域ごとに違いがあるため、該当地域でどう扱われているかは自治体への確認が確実です。

狩猟免許と狩猟者登録の違い

「狩猟免許を持っています」という説明は業者案内でよく見ます。この免許が何を意味するのかを整理しておきましょう。

狩猟免許は都道府県知事が交付する免許で、網猟免許、わな猟免許、第一種銃猟免許、第二種銃猟免許の4種類に分かれています。害獣駆除の現場で箱わなやくくりわなを使う場合に関係するのはわな猟免許です。有効期間があり、更新のためには適性検査などを受ける必要があります。

これと別に狩猟者登録があります。こちらは狩猟期間中に狩猟という形で捕獲を行う場合に、狩猟をする都道府県ごとに登録するものです。住宅の被害対策として年間を通じて行われる有害鳥獣捕獲とは枠組みが異なります。

有害鳥獣捕獲の許可を申請する際に、狩猟免許の所持を条件としている自治体は少なくありません。ただし、被害を受けている本人が自宅の敷地内で行う小規模な捕獲について、免許を持たない場合でも講習の受講などを条件に許可を出す運用をしている自治体もあります。この点は自治体により運用が異なるため、一律にこうだと言い切ることはできません。

依頼する側としては、免許の有無そのものより「今回の作業で捕獲を行うのか」「行うなら許可申請は誰がするのか」を確認するほうが実用的です。申請を業者が代行してくれるのか、所有者である自分の名義で出す必要があるのかは事前にはっきりさせておきたいところです。

建築物ねずみ昆虫等防除業の登録と防除作業監督者

屋内の防除作業に関わる制度として、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)に基づく事業登録があります。このうち害獣害虫に関係するのが建築物ねずみ昆虫等防除業の登録です。

この登録は都道府県知事が行うもので、登録を受けるには、防除作業監督者を置いていること、必要な機械器具を備えていること、作業の方法や機械器具の維持管理について定められた基準を満たしていることなどが求められます。

重要なのは、これが任意の登録制度だという点です。登録していなければ防除の仕事ができないという性質のものではなく、基準を満たした事業者であることを示すための仕組みです。したがって「未登録だから信用できない」と短絡的に判断する必要はありません。一方で、登録があることは一定の基準を満たしている証拠になるため、判断材料の一つにはなります。

防除作業監督者は、厚生労働大臣の登録を受けた講習機関の講習課程を修了した者が該当します。作業の計画や薬剤の選定、作業員への指導といった監督的な役割を担う立場です。このほか、業界団体が認定する技術者資格もありますが、これらは民間の資格であり、法律上の必置資格ではありません。

工事・薬剤・廃棄物に関わる許可

害獣駆除は捕獲だけで完結しません。侵入口の封鎖、汚れた断熱材の交換、かじられた箇所の補修といった工事が伴いますし、薬剤を使う場面もあります。関係する主な許可を表にまとめます。

作業の内容関係しうる許可・資格確認のポイント
野生鳥獣の捕獲鳥獣保護管理法に基づく捕獲許可、狩猟免許(わな猟など)許可申請を誰の名義で行うか、許可が下りるまでの日数
屋内の防除作業建築物ねずみ昆虫等防除業の登録、防除作業監督者任意登録のため未登録でも営業は可能。登録の有無は判断材料の一つ
侵入口の封鎖や補修工事建設業許可(工事の規模が一定額を超える場合)軽微な工事は許可不要とされる。大がかりな改修を伴う場合に確認
殺鼠剤などの薬剤使用毒物劇物取扱責任者(毒物劇物を業として販売等する場合)使用する薬剤の名称と安全性、小さな子どもやペットへの配慮
フンや汚染物の運搬処分廃棄物の収集運搬に関する許可一般廃棄物か産業廃棄物かの区分は自治体により運用が異なる

建設業許可については補足が必要です。建設業を営むには原則として許可が要りますが、軽微な建設工事については許可が不要とされています。一般的な住宅の侵入口封鎖はこの範囲に収まることが多く、許可がないこと自体が問題になるわけではありません。屋根の葺き替えを伴うような大規模な工事を提案された場合に確認するとよいでしょう。

廃棄物の扱いは、区分の判断が実務上分かれやすい領域です。一般家庭から出るものと、工事に伴って事業者が排出するものとで整理が変わりうるためです。自治体により運用が異なるため、撤去した断熱材やフンをどう処分するのかを説明してもらうにとどめ、業者側の説明が筋の通ったものかどうかを見る程度でよいと思います。

なお、資格ではありませんが賠償責任保険への加入も確認しておきたい項目です。作業中に建物を傷つけてしまった場合の備えがあるかどうかは、許可や登録と同じくらい実務的に意味があります。

業者に確認するときの聞き方

ここまでの内容を、実際の問い合わせで使える形にまとめます。専門用語を並べる必要はありません。次のように聞けば十分です。

  • 「今回の作業で捕獲は行いますか」:行う場合、許可申請の名義と手続きの流れを聞きます
  • 「許可の申請はそちらでやってもらえますか」:代行の可否と、所要日数を確認します
  • 「建築物ねずみ昆虫等防除業の登録はありますか」:任意登録なので、無い場合は代わりに何を基準にしているか聞きます
  • 「使う薬剤の名前と、子どもやペットへの影響を教えてください」:具体名で答えられるかどうかを見ます
  • 「撤去したフンや断熱材はどう処分しますか」:処分の流れを説明できるかを確認します
  • 「作業中の事故に備えた保険には入っていますか」:加入の有無と補償の範囲を聞きます

こうした質問への答え方には、その会社の姿勢が表れます。すぐに答えられなくても、「確認して折り返します」と言って実際に連絡をくれるなら誠実な対応と考えてよいでしょう。曖昧なまま話を先に進めようとする場合は、一度立ち止まったほうが安全です。

確認した内容は口頭で終わらせず、書面に残しておきます。何をどこまで残すべきかは契約前に確認したい書面と説明事項にまとめました。また、こうした確認を怠ったときに何が起きるかは業者とのトラブル事例を読むとイメージしやすくなります。

登録や許可の情報は、口コミには書かれない種類の情報です。評判を調べるのと並行して、自分で直接たずねて確かめる価値があります。評判の読み方については口コミの見極め方を参考にしてください。

まとめ

  • 害獣駆除業そのものを規制する必置の国家資格はなく、作業の内容ごとに関わる法律と手続きが変わります
  • 野生鳥獣の捕獲には鳥獣保護管理法に基づく許可が必要で、窓口や運用は自治体によって異なります。家ネズミは同法の対象外です
  • 建築物ねずみ昆虫等防除業の登録は任意制度のため、有無だけで良し悪しを決めず、判断材料の一つとして扱います
  • 問い合わせでは、捕獲の有無・許可申請の名義・使用薬剤・廃棄物の処分・保険加入の5点を自分の言葉で確認するのが実用的です

許可や登録の考え方が分かると、業者を比べる軸が増えます。料金や保証と合わせて見ていくと、自分の状況に合う会社が絞り込みやすくなります。

編集部では、料金の示し方と保証の条件という観点から主要な害獣駆除業者を整理しています。確認項目を用意したうえで問い合わせる際の出発点としてご覧ください。

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